赤ちゃんの紫外線ケア

気温が低く空気が乾燥する冬は、保湿ばかりを気にして、紫外線のケアがおろそかになっていませんか?
まだまだ寒い日々が続いていますが、立春を過ぎて、季節は着実に冬から春へと向かっています。
さて今回は、ブランドへのお問い合わせも多い、赤ちゃんの紫外線ケアを話題に取り上げようと思います。

月ごとの紫外線量

紫外線量は、2月から徐々に上昇し、その量は夏の約8割、10月の紫外線量とほぼ同じというデータもあります(図1)。一般には、4月から8月にかけての時期に紫外線量が多いことが知られていますが、それ以外の月もピーク時の1/2以上の量があるため、敏感肌やデリケートな肌のように、バリア機能が低下している方や、外的刺激に抵抗力のない赤ちゃんの肌は、通年での紫外線予防が望ましいといえます。

図1.日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ

赤ちゃんも大人も、肌の構造自体は同じですが、赤ちゃんの肌は角層が薄く皮脂腺も未発達のために外部刺激を受けやすい状態です。また、水分量や皮脂量が少なく、季節によってはバリア機能が弱くなるため、冬から春にかけての乾燥シーズンは保湿ケアだけでなく、紫外線ケアにも注意が必要といえます。

赤ちゃんはいつから日焼け止めを使って良いの?

まず、とても多くお問い合わせをいただくのが、使用年齢についてです。日焼け止めの成分が、体に悪影響を及ぼすのではと心配する方もいますが、紫外線の方が日焼け止めの成分以上に赤ちゃんの肌に与えるダメージは大きいといえます。赤ちゃんが日焼け止めを使いはじめて良い時期についての明確な線引きはありませんが、一般的にはお出かけをはじめる生後3カ月頃からは使った方が良いとされており、6カ月からを推奨されるお医者さまもいらっしゃいます。また、アメリカ小児科学会では、「6カ月未満の乳児の場合は、少なくともSPF15の日焼け止めを顔や手の甲などの限られた範囲であれば使用できる。それ以上の月齢では、SPF 15以上の日焼け止めを衣服で覆われていない部分に塗る」ことを推奨しています*1
市販されている日焼け止めには、0歳から使える商品もあります。デリケートな赤ちゃんの肌は、傷ついたり、トラブルがおきたりしやすいため、しっかりと成分表示を確認し、「ベビー用」を選択し、パッケージ記載の月齢を守って使うようにしましょう。

防御指数の目安は?

次に、パッケージに記載してあるSPFやPAなどの防御指数は、どのくらいのものを選べばよいのか。
SPFは、肌が赤くなる日焼けを起こす紫外線B波を防ぐ効果の指標であり、PAは肌が黒くなる日焼けを起こす紫外線A波を防ぐ効果の指標となるものです。日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にするのが良いでしょう。
一点注意しておいていただきたいのは、日焼け止めの程度を表すSPF値やPAなどの防御指数については、販売されている国によって、表示が同一ではないということです。ISO(国際標準化機構)が、2010年11月にSPF測定法を国際規格として発行し、2011年12月にはUVA防止効果測定法が、国際規格として発行されましたが、表示方法についての規定は現時点では各国にゆだねられています。SPF測定法については、国際的にも類似の表示がなされていますが、UVA防止効果測定法については、日米欧だけを比較してもそれぞれ異なったものとなっています。

赤ちゃんの肌に日焼け止めを塗るときに注意することは?

① 初めて使う日焼け止めは事前にパッチテストを行う
初めて使う日焼け止めの場合、事前に目立たないところに塗って、パッチテストを行って、肌に合うかどうかを確認しましょう。
② 塗り残しがないように注意する
日焼け止めを顔に塗る場合は、適量を両手のひらにとり、軽くなじませた後、中心から外に向かって両手で優しく塗布します。このとき、デリケートな目や口のまわりは避けるようにしましょう。身体に塗る場合は、腕なら肩から手の甲まで、脚なら太ももから足の甲まで、両手を交互にすべらせるようにしてなじませます。腕や脚を握るようにすると、まんべんなく塗布することができ、手や足の甲の塗り忘れを防ぐことができます。
③ こまめに塗りなおす
日焼け止めを塗っても汗で流れたり、汗をハンカチで拭く際にいっしょに拭ってしまったりして、落ちてしまうことがあります。1度塗ったら1日中大丈夫というわけではなく、こまめに塗りなおすことで、効果を維持することができます。面倒でも2~3時間おきに塗りなおすか、落ちたかなと思ったときには部分的に重ね塗りをするなどして、しっかりと紫外線から肌を守りましょう。

日焼け止めの落とし方

紫外線から肌を守る日焼け止めも、ずっと肌に残っていては肌の負担となります。赤ちゃんの日焼け止めを選ぶ際は、「石鹸で落とせる」タイプのものがおすすめです。肌の細部までしっかり洗えるように、きめの細かい泡で優しく肌をなでるように洗い落としてください。なかなか落とせない場合は、肌を濡らしてから、手にとった石けんやボディソープを直接なじませ、その後よく泡立ててボディタオルやスポンジで丁寧に洗いましょう。
もし、石鹸では落ちにくい「ウォータープルーフ(耐水性)」タイプのものを使った場合には、まずベビー用のオイルで優しく落としてあげてから石鹸で洗い流す、またはベビー用のクレンジングシートを使って落とすなどの方法もありますので試してみてください。

落とした後はしっかり保湿する

汚れや日焼け止めを洗い流した後の肌は乾燥しやすくなっていますので、しっかりと保湿してあげるようにしましょう。日焼け止めを洗い流した後は、できるだけ時間をおかずにローションやボディクリーム、オイルなどで保湿してあげるようにしてください。

紫外線(UVA)は目には見えませんが、日陰にいても室内にいても、さらには曇りの日でもガラスや衣服もすり抜けてしまうものです。曇りや雨の日でも、目に見えない紫外線が絶え間なく降り注いでいることを忘れずに、毎日の紫外線ケアをこころがけましょう。

参考文献
*1 Sun Safety and Protection Tips from the American Academy of Pediatrics