冬だからこそ知っておきたい!肌に負担をかけない洗顔の秘訣

『冬は乾燥で肌がカサカサ』『しっかり保湿しているのに、肌の乾燥が気になる』そんな悩みを感じている方はいませんか? 原因は、もしかすると洗顔の仕方にあるかもしれません。洗顔料の性質を知ることで、毎日の習慣で行っている洗顔方法を見直せば、乾燥の肌悩み解決に一歩近づけるかもしれません。

洗顔の目的

洗顔の目的は、余分な皮脂、酸化分解物、汗、代謝産物、角質層の屑片、空気中のほこり、微生物、化粧品等の汚れを除去し、皮膚を清潔にすることで健康で美しい肌を保つことです。
とくに皮脂は、自然光を浴びることで過酸化脂質を生成し、皮膚に対して炎症等を引き起こすことがあるため1)~3)、洗顔はとても重要なスキンケアのひとつといえます。
「汚れを落とす」というイメージが強いために、ごしごしと洗顔をしてしまうと、肌にとっては負担となって、いらぬトラブルを引き起こしてしまうこともあります。つまり、肌にできるだけ負担をかけずに汚れを落とすことが大切です。
今回は、洗顔が汚れを落とすメカニズムを知ることで、正しい洗顔方法を学んでいきましょう。

汚れを落とす主成分「界面活性剤」

さて、汚れを落とす主成分の「界面活性剤」については、肌によくないというイメージを持っている方が多いかもしれません。近年悪役にされてしまっている界面活性剤ですが、鉱物由来ではなく天然成分から作られた肌にやさしいものも存在しますし、使い方次第では、肌への負担を少なくすることもできるのです。
界面活性剤を化学的に分子構造から説明すると(図1)、親水基という水になじみやすい部分と、親油基という油になじみやすい部分からなっています。界面活性剤は、水と油の両方になじむ性質を持つため、通常は混ざらない水と油の境界面をなじませ、混ぜ合わせる働きがあります。水溶性の汚れは水洗いでもある程度落とすことはできますが、油汚れは水をはじいてしまうので水洗いだけでは落ちません。そこで、汚れを落とすためには、水と油をなじませることができる界面活性剤が必要となってくるというわけです。

図1.界面活性剤の分子構造
日本石鹸洗剤工業会:石けん洗剤知識、石けん洗剤の化学 より

汚れを落とすメカニズムと泡の重要性

界面活性剤分子は、親油基を汚れのほうに、親水基を水のほうに向けて皮脂や汚れを包み込み、皮膚との間に浸透して汚れを剝がします。これが洗浄のメカニズムです(図2)。
また界面活性剤には起泡作用があり、泡立てることで汚れを浮かび上がらせ、皮膚をこすりすぎず効率的に汚れを落とす効果が期待できます。泡による体積の増大で少ない洗浄料で広い面積を洗うことができ、かつ皮膚に接触する洗浄料の濃度が低くなり肌への刺激が少なくなります。さらに、すすぎやすくなることで、洗浄成分の皮膚への残留が少なくなり、界面活性剤による皮膚吸着が抑制できる4)ことがわかっています。
つまり、肌をやさしく洗い上げるには「泡」が重要な役割をはたしているのです。

図2.洗浄のメカニズム

美肌に近づく泡洗顔方法

それでは、美肌に近づくためのおすすめの洗顔方法をご説明いたしましょう。
①ぬるま湯ですすぐ
 まずは、手の雑菌をよく洗いましょう。次に、顔を数回ぬるま湯ですすぎ洗いをし、顔全体を濡らしましょう。
②洗顔料を泡立てる
 泡立てネットをぬるま湯で軽く濡らし、洗顔料をのせて両手で揉み込むようにして、できるだけ細かく、もっちりと弾力がある泡を作ります。
 最初から泡で出てくるタイプの泡状洗顔料は、界面活性剤の濃度も適度で、泡立ての手間もいらないのでおすすめです。
③油っぽいTゾーンから洗う
 額や鼻筋はとても油っぽく毛穴が目立つので、まずTゾーンに泡をのせて汚れをかき出すイメージで指を優しく動かします。洗うときは指を肌に当てるのではなく、指で泡を動かしてお肌の汚れをかき出すように振動させるのがポイントです。顔の皮膚表面に、指が直接触れないように、泡のクッションがあることを意識しながら指を動かすのがコツです。
④ニキビが出来やすいUゾーンを洗う
 大人ニキビができやすい、顎から頬にかけてのUゾーンに泡をたっぷりのせて優しくマッサージ洗いをします。全体に泡が馴染んだら、汚れを浮かせるイメージでらせんをかくように指先を動かしましょう。
⑤デリケートな部分は一番最後
 目元や口元など皮膚が薄い場所は泡を優しくなじませ、泡だけをそっと動かして、こするなどのダメージを与えないようにします。特に目の周りは皮膚が薄くシワになりやすいので、注意して優しく洗いましょう。首筋も忘れずに。
⑥ぬるま湯で洗い流す
 泡を流す時にも、顔をこするとお肌の刺激になるのでこすらないように注意します。両手でぬるま湯を顔にかけてそっと洗い流し、生え際、目鼻のくぼみ、耳の横、などは泡が残らないようしっかりすすぎましょう。皮膚に洗浄成分を残さないように、こすらずにやさしくしっかりすすぐのがポイントです。
⑦タオルで優しく水分を取る
 タオルでゴシゴシと拭くのは厳禁です、タオルを広げて顔を包み込み、顔をそっと押さえて優しく水分を吸い取ります。
⑧うるおい補給
 タオルドライがすんだら、できるだけ早くうるおい補給をしてあげましょう。

いつもの洗顔を、ちょっと見直すだけで、きっとワンランク上の素肌が手に入るはず。
面倒くさがらずに、良質な泡で、ていねいな洗顔を心がけてみてください。

参考文献
1) 上田宏, 日皮誌, 81, 736-737 (1971)
2) 早川律子, 日皮誌, 81, 11-29 (1971)
3) K. Motoyoshi, Br. J. Dermatol., 109, 191-198 (1983)
4)高橋きよみ, SCCJ研究討論会講演要旨集, 44(1996)